学校給食にコオロギ 気になる栄養価と味は?

時事

徳島県の高校の給食に、食用コオロギを使ったメニューが登場し話題となっています。

コオロギは栄養価も高く、飼育のコストも低いために「食料問題の解決策」と期待されています。今回、学校給食への活用は国内初の試みだといいます。

徳島県小松島市にある県立小松島西高校の28日の給食、「カボチャコロッケ」には、食用コオロギのパウダーが練り込んでいるとのことでした。パウダーを使用したので、見た目的には昆虫要素はないようです。

コオロギといえば、以前から環境問題や食料不足の解決策として注目が集まっていますよね。気になる栄養価や味について今回は調べてみました。

コオロギの栄養価は?

特に虫嫌いの方は見た目的にうけつけないかもしれませんが、コオロギは様々な栄養価が高いスーパーフードことがわかりました。

コオロギは高たんぱく食品

コオロギは豊富なタンパク質に加え、亜鉛、鉄分、カルシウム、マグネシウム、ビタミン、オメガ3といった体に必要な栄養素を数多く含んでいる次世代のタンパク質といえます。

さらに、コオロギにはキチン質という食物繊維も多く含まれており、野菜に含まれる食物繊維と同様、腸内環境をきれいにする効果も期待できます。

Why Cricket? – なぜコオロギ? 食料としてのコオロギ | グリラス (gryllus.jp

ほかの食品と比較した表が以下になります。

100gあたりたんぱく質 脂質 炭水化物
コオロギ
(粉末)
61.4g 19.2g  5.5g
(食物繊維5g
 豚肉
(バラ)
14.2g 34.6g0.1g
 鶏肉 
(もも)
16.2g 14g0g
 牛肉
(バラ)
14.4g 32.9g0.2g
コオロギ栄養素Why Cricket? – なぜコオロギ? 食料としてのコオロギ | グリラス (gryllus.jp)、ほかはカロリーSlism – 栄養成分/カロリー計算より引用

上記のコオロギは粉末状にした場合なので栄養素が凝縮され、ひときわ高く表示されていますが、生のコオロギもたんぱく質は100gで約25gとのこと。

生重量100gのコオロギには、約25g[1]のたんぱく質が含まれます。

第4巻 コオロギと栄養のはなし | フューチャーノート:クリケット(コオロギ)パウダーなど昆虫由来の加工食品を日本へ (futurenaut.co.jp)より引用

さらにたんぱく質には、植物性たんぱく質と動物性たんぱく質がありますが、コオロギは動物性たんぱく質にあたります。動物性たんぱく質は必須アミノ酸のバランス・含有量が豊富で、植物性たんぱく質より素早く動物消化・吸収することのでき効率的に筋肉の栄養補給が可能です。

アミノ酸スコアは100

アミノ酸スコアは、タンパク質の量と必須アミノ酸がバランス良く含まれているかを表しています。必須アミノ酸とは、体内でつくれないアミノ酸。全9種類ある必須アミノ酸ですが、コオロギのアミノ酸スコアは100です。すべての必須アミノ酸がバランスよく含まれています。

これは肉や牛乳、卵等と同じスコアで、さらに運動に筋肉のエネルギーなるBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)も豊富に含まれています。

まさに体づくりにピッタリなたんぱく源ですね。虫のたんぱく質についてはイメージしづらいですが、普段食べている肉や魚と同じととらえていいようです。

必須脂肪酸も含まれている

コオロギには必須アミノ酸だけでなく、必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸オメガ6脂肪酸も含まれています。これは血液中のLDLコレステロールを下げる効果があり、体内で作ることはできません。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸で健康が保たれている面もあり、両者の摂取バランスはとても重要です。

・私たちの健康を守る上で絶対に欠かせないのが、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸。どちら も、全身の細胞膜の材料になるなど、とても重要な働きをしています。

・このオメガ3とオメガ6について、最近の研究で興味深いことがわかってきました。なんと、お互いに正反対の役割を担っているのです。例えば、オメガ6は白血球を活性化して病原菌などと戦う働きをしますが、オメガ3は逆に白血球の働きを抑制、炎症を抑えることがわかっています。だから、オメガ3とオメガ6が良いバランスを保つことが、健康には欠かせないのです。

健康には必須脂肪酸「オメガ3」「オメガ6」が重要!油選びのコツ | NHK健康チャンネルより引用

必須アミノ酸」と「必須脂肪酸」、どちらも体内でつくれない栄養素を含んでいるコオロギはとても優秀な食材だったんですね。

食物繊維も豊富

ここまででにすでに栄養価が高いことがわかりましたが、コオロギは食物繊維も豊富です。

栄養比較表にも記載していますが、炭水化物は食物繊維がほどんどで、糖質はほぼありません。

食物繊維は「第6の栄養素」ともいわれてるほど重要な栄養素で、整腸作用や血糖値やコレステロールも抑える働きがあります。

また、腸は消化・吸収だけでなく、免疫機能や脳とも密接に関係しており、「第2の脳」とも呼ばれるほど重要な臓器です。食物繊維もまた健康に欠かせない栄養素。これを豊富含んでいるのもまた優秀ですよね。

ほかにもビタミンB群や、ミネラルも豊富に含まれており、栄養素で考えるといままで私たちが食べてきた食品の代用どころか、取って代わるくらいに素晴らしい食品ということがわかります。

コオロギの味は?

栄養価が高いコオロギですが、気になる味はどんな感じなのでしょうか?

コオロギはエビのような味、あるいはナッツのような味や香ばしさがあるようです。

これはコオロギがエビやカニなどの甲殻類にも含まれている「キチン質」という食物繊維を含んでいるからの様です。

また、話題となった徳島県小松島市の県立小松島西高校の給食の様子が映像でありました。

コオロギの味はほぼしなかったようです。

粉末状でもあるので、コオロギを食べている感覚はほぼないのではないでしょうか?

味自体もまずいわけでなく、それほど強くないのであれば、様々な料理に使用することができますね。

甲殻類の味ということは、カニやエビを使った料理にはむしろ相性がいいでしょう。

コオロギの価格は?

コオロギの価格は100gで1500円程度とのこと。製造ロットが少なく、コオロギ自体も安くないためにこの価格になっているんだそうです。

コオロギパウダー100gの末端価格は1500円前後。小麦粉1kg250円に比べれば随分高い値段です。魚粉でも、100gが300円程度です。100gあたり1500円**ってどんな高級肉だよという感じです。

昆虫食が価格が高い理由は。値段が安ければもっと普及するのか。 | プラスミライ FUTURENAUTの昆虫食メディア 昆虫食の話 (plusmirai.com)より引用

生産のロットが多くなればもっと安い価格で提供可能になると思いますが、まだまだ認知されている程度の段階のため、簡単に入手できるような価格帯ではないようです。

まとめ

今回はコオロギの栄養価や味について調べてみました。

想像以上にすぐれた食品で驚きましたね。現在は若干高価なものだとしても、供給量の問題なので価格については世間が受け入れてくれさえすれば落ち着いてくると思います。

粉末にしているとはいえ、今まで食べていないもの食品ととらえるのは時間がかかるかもしれませんが、いつか塩コショウのような感じでスーパーやレストランに置かれる日も来るかも?

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