「背の順」は差別なのか?その理由は?なぜそう感じるのか、考えてみた

時事

学校で「背の順に並ぶ」ということは皆さん経験があると思います。というより他の整列の仕方がない、というくらい常識になっていると思っていますが、背の順は差別ではないのか?という見方が話題になっています。

これは現役の公立小学校教員である松尾英明さんの本「不適切教師のススメ」に書いてあり、今回PRESIDENT Onlineがこちらを記事に取り上げたところ、大きな反響を呼んだためです。

今回差別と感じるポイントや世の中の反応などまとめてみました。

背の順はなぜ差別?

背の順が差別という理由の一番は当然「嫌な思いをするひとがいる」ということが一番です。

これは特に背の低い人、高い人が対象になります。背の順に並ぶことで、からかわれたり、コンプレックスを感じてしまう機会を作ってしまっていることになります。

冷静に考えて、背の順に並ばせるのは、身体的特徴による差別の誇示である。背丈という本人にはどうしようもない身体的特徴を並べて比較し、小さい方から大きい方へと序列をつけて並べる。一番小さい人と一番大きい人を確定して、誰の目にも明らかなように序列を公表する。

これが身体的特徴による差別であることは、大人が会社等でこれを強制されないというのを考えればわかる(体重順に並ばせるのも全く同じことである)。明確な差別であり、いじめの類の行為である。

なぜ誰もおかしいと気づかないのか…学校で「背の低い順に並ぶのは差別」と主張する現役教員の納得の理由 一番小さい人と一番大きい人を確定して”序列”を視覚化する罪 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) より引用

身体的なことで順番をつけると、いやな思いをする人がでてくる。差別ではないのか?

ということですね。たしかに身長順に対して違和感がない方も、これが体重順や、足の速い順ということだと気にしてしまう人が出てくるでしょう。

世間の反応

世間ではどういう反応があるのかまとめてみました。

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ほかにも、

・「身長順とは後ろの人にも見えやすいようにしているのではないか」
・「身長順がなくなっても問題は解決しない」
・「子供がどう考えているかが大事で、これは大人が勝手に決めつけているのではないか」

という意見が出ています。

今回の身長順について、気にしている人は少数派です。背の順は合理的に決められたものと考える人も多くいて、背の順で嫌な思いをしたことがない人にとって、差別と主張してしまうこと自体が差別とらえられてもおかしくないですね。

背の順ではなく、名前順にするべき

背の順は差別なら、代案は出していないのか?と気になるところですが、

松尾英明さんは名簿順にするべきと主張しています。

名簿順にすると序列意識がなくなり、身長の変化による順序の変動もなくなるとのこと。身長にコンプレックスを感じる人は少数だが、その子供たちに目を向けることが大事と説明しています。

確かに身長順にしなくなれば、身長のことを考える機会は少なくなります。

しかし、名簿順にしたら序列意識はなくなるとありますが、本当にそうでしょうか?子供たちの間では常に色々なことがステータスになり、何かと友達やクラスメイトと比べがちだと思います。

名簿順にすることで新たな序列意識が生まれないとも限りません。また、名前に対して嫌な思いをしている人にとっては、嫌なことを考える機会が増えてしまうように思います。

他の国は?

日本では背の順が当たり前ですが、他の国ではどうなんだろう?ということで調べてみたところ国によっていろいろなやり方があることがわかりました。

ロシアは背の高い人が1番前

小1のとき、私はクラスで一番背が高かった。だから、一番前になった。え?後ろの人は前が見えないんじゃないの?と思う方もいるかもしれません。でも、ロシアでは背が高い人が前なのだ。

なぜかって? 特に小学校低学年で背が高いことは、カラダや精神が発達していて、運動神経の良さにつながることが多いというのが理由の一つだと思う。つまり、背が高い児童はみんなの見本になれるのだ。みんなその人を目指して頑張ることになる。それは、能力的にもそうだし、背が高くなりたい!もっと前になりたい!というモチベーションのリマインドにもつながる。

ロシアの学校では、 体育で整列するとき 背が高い人が前だった。 | ウェブ電通報 (dentsu-ho.com) より引用

ロシアでは背が高い=能力が高いという認識の様ですね。競争意識を促すための整列になっていて、日本とは全く違う考え方です。背が高いと何かするとき、みんなから見やすいんですね。また、何かするということはお手本となることなので、ロシアの1番~は1番できる人ということなんですね。

他にもアメリカはフランスは整列の概念がないようです。先生の周りで自由に説明を聞きます。

背の順に整列するというのは日本だけでした。

背の順にしている理由として、全員が見たり話を聞いたりしやすいとのことですが、大体前後の人の身長差はそれほどなく、後ろになればなるほど見えづらくなってしまいます

身長順ということにメリットや納得のいく理由を感じることはあまりないのかなと思います。これは確かに「日本特有の変な決まり」として認識されてしまう部分と思います。

まとめ

今回背の順が差別という理由は、

身体的特徴という改善しづらいことの序列を作ってしまうことで、嫌な思いをする人がいるから

でした。代案として名簿順がいいということでしたが、こちらも新たな問題が発生しないとは思えません。結局に何も問題がないという状態づくりは難しいですね。

確かに背の順は日本特有のもので、変な決まりと思っていても、他の整列や集合の仕方は自分たちの実践が少ないためにいい方法と感じているんだと思います。結局「隣の芝生は青く見える」だけなのかもしれません。

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